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国内用不活化ポリオワクチンの販売についての私の考え方

国内用不活化ポリオワクチンの販売についての私の考え方

4月19日、単独不活化ポリオワクチン(イモバックスポリオ)の製造が承認されました。
このワクチンは、当院で接種している不活化ポリオワクチン(イモバックスポリオ)と同じソーク株のワクチンです。
接種方法は、当院では筋肉注射ですが、承認された日本でのワクチンは皮下注射です。

単独不活化ポリオワクチンの無料接種は9月から、4種混合ワクチン(3種混合ワクチンに生ポリオワクチンを不活化した不活化ポリオワクチン(セービン株)を混合したワクチンは11月からです。
しかし、現在のところ、2008年のヒブワクチンの時の様に、国内用単独不活化ポリオワクチンは不足になりそうです。
なぜ、不足してしまうのでしょうか?
それはヒブワクチンと同じく、日本用の皮下注射にするために、フランスで日本用の新しい製造ラインを作ったため製造が追いつかないのです。
また、11月からの4種混合ワクチンのための臨時の不活化ポリオワクチンとの位置づけのために、ヒブワクチンと同じく総額1万円もする高価なワクチンになっています。
そのため、自治体の負担はかなり増えていて財政を圧迫し、ひいては税金の無駄な出費につながっています。
ヒブワクチンの時の教訓は生かされていません。
9月から多くの混乱が予想されます。

なお、標準の接種方法は、現在の三種混合ワクチンと同じで、全部で4回の接種です。
ただし、単独不活化ポリオワクチン(ソーク株)と4種混合ワクチン(セービン株)はポリオの株が違うので一緒に接種しないほうが良いと思います。

また、今回厚労省は他のワクチンとの同時接種も許可しています。

今後の方向性ですが、
とにかく不活化ポリオワクチンはかならず早めに接種してください。
生ポリオワクチンも不活化ポリオワクチンも何も接種しない乳児が激増しています。
生ポリオワクチン接種はできなくなり、一般の病院では9月までポリオ接種を見送るようにと指導されているところが多く、ポリオの接種率は横浜市では40%代です。
この状態で恐ろしいのは本物のポリオの発生です。
中国やアフリカやパキスタンなどポリオ発生国からのポリオ流行の危険があります。
ですから、少なくともこの半年以上は、ポリオの発生に注意が必要なのです。
世界では不活化ポリオワクチンのトータル5回接種も考えられています。
当院では、不活化ポリオワクチンを3回接種したかかりつけの患者さんは、最終接種後1年で4回目、5回目は4歳以降での接種を考えています。

また、ポリオワクチン含めての接種スケジュールについては、かなり複雑で専門的です。
医師と相談して決めてください。
ご不明な点はご遠慮なくお尋ねください。