生活習慣病、がん検診について
生活習慣病について
生活習慣病とは食習慣、運動習慣、喫煙、飲酒などの生活習慣がその発症・進行に関与する症候群と定義されています。つまり生活習慣が病気に関連していることが科学的に証明されているということです。例えば、喫煙が原因となる肺がんや肺気腫、運動習慣低下や喫煙・食物繊維不足がリスクとなる大腸がんも生活習慣病と言えます。
その生活習慣病の中でも、心筋梗塞・脳卒中が起こる要因の動脈硬化のリスクとなる、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病、高尿酸血症は有病率も高く、例えば日本ではおよそ3人に1人!!(4300万人)が高血圧と推定されています。
この病気は自覚症状が出ないことがほとんどなので、いつのまにか病気にかかっていてそして動脈硬化が進み、ある日突然心筋梗塞・脳卒中、、、、なんてことが最も怖いことです。
ひとたび病気になれば医療費がかかること、障害が残ればこれまでの生活ができなくなることが考えられます。ですから症状が出ないこういった病気を検診でチェックする必要があります。
国もこの事をよく分かっていますので、こういった生活習慣病に関連する検診については費用負担が少なくなるようにしており、例えば40歳以上の国民健康保険での検診は無料ですし、会社検診も種類は様々ですが負担が少なくなっているはずです。
当院でも生活習慣病に必要な検診を、9:00から1枠(約1時間ほど)で行っています。
また会社検診など他施設で行った検診異常や再検査についてのご相談も随時行っております。お気軽にご相談いただければと思います。
心筋梗塞や脳卒中といった大病にかからずに過ごしていただくためにも検診を是非お願いいたします。
こんな方に受診をお勧めします
- 健診などで何かしら検査数値の異常を指摘された
- 40歳以上である
- 20歳の頃よりも体重が10kg以上増えた
- 1年以上健康診断をしていない方
- タバコがやめられない
- お酒をよく飲む
- 日頃あまり運動をしない
- 最近、何か身体が調子が悪いと感じる方
- 家族の方でガンや心筋梗塞や脳卒中などの重度の病気になった人がいる方
がん検診について
「万が一ではなく、2分の1」
これは1生涯で日本人が癌にかかる可能性です。
「うちは癌の家系では無いんです」「先生!すごく体調もいいので私は心配ないと思います」「タバコも吸わないし、お酒も飲まないし、健康には気を使っていますから、、、」
こういった声はとても多く伺いますが、日本の現状は2人に1人は癌にかかり、3人に1人は癌で亡くなる時代です。そして治療を受ける多くの癌患者さんは症状がなくお元気な方が多いことが分かっています。つまり普通に生活していて、癌を見つけるのはまだまだ難しいと考えられます。
検診が有効だとされるためには、その癌で亡くなる人が減ることが科学的に証明される必要があります。そして健康な人に行うわけなので検診はできるだけ安全でなければいけません。さらにできるだけ安価であることも重要です。
世の中にたくさん「癌検診」はあります。癌がちゃんと見つかる検査もあります。ただし見つかるだけでは有効だと証明できません。例えば肺癌の検診として考えられている胸部CT検査は、まだ国内でのがん検診として胸部レントゲンに変わるものにはなっていません。
これはCTのほうがたくさん病変を見つけるのは分かったのですが、中には非常にゆっくりな癌もあることや良性病変であることもあり、過剰診断になっている可能性があるので、現在はレントゲンが検診として採用されています。
腫瘍マーカーやPET-CTなど任意で検査をしていただくのはとても良いと考えられますが、それとは別に有効だと認められている癌検診を受けていただくことが必要だと考えます。
当院では40歳以上の方に、肺癌検診(レントゲン)と大腸癌検診(便潜血検査)、50歳以上の男性の方にはこれに加えて前立腺癌検診(採血PSA測定)を行っています。横浜市の方であればすべて行っても※1680円(令和3年度)の自己負担です。また70歳以上の方は自己負担はありません。
※自己負担に関しては初診・再診など状況にもより変動するので参考程度にお願いします。
他に行うべき胃癌検診、子宮頸がん、乳がん検診については現在当院で検診として行うことはできませんが、施設のご紹介など相談は随時行っております。
また癌の専門家として、他院癌検診結果相談や現在の治療についての相談なども随時行っております。お気軽にご相談いただければと思います。
下記の鶴見区のページを参考にしてください。
連携施設と連携専門医療機関
当院は地域施設の共同利用を積極的に活用しています。具体的には内視鏡検査やCT・MRI・核シンチ・PET、栄養相談、糖尿病合併症評価などを当院から予約し、結果説明は当院で行うことで外来受診などの時間も省くことができます。
また、重篤な糖尿病など、高度な医療機関での治療が必要な場合には、適切な医療機関をご紹介し、紹介病院と十分な連携を取りながら、治療を進めていきます。