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子宮頚がんワクチンについて

子宮頚がんワクチンについて

最近、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)に対するワクチンが、各国で効果を上げています。そのため、子宮頸がんを撲滅できる希望もみえてきています。

HPVワクチンの接種は10年ほど前から始まりました。国際研究チームがこのほど、6000万人を対象にした65件の研究を評価したところ、HPVの感染件数と前がん病変の発生件数が共に下がっていた事がわかりました。これにより、向こう数十年で子宮頸がんの発症件数が大きく下がり、撲滅できる可能性もでてきました。

英国では毎年、3200件の子宮頸がんの症例があり、850人が亡くなっています。HPVは100種類以上のHPVがあります。女性の多くが人生のどこかでHPVにかかりますが、悪い症状には見舞われない事が多いです。そして子宮頸がんの大半は、危険な型のHPVに感染したことが原因です。

HPVは男女共に発症する恐れのある尖圭(せんけい)コンジローマや、頭部や頸部のがんの原因となります。HPVワクチンは子宮頸がんの70%以上の原因となる16型と18型、尖圭コンジローマの約90%の原因となる6型と11型、計4つのHPVから身を守ることができます。

英国での女子の接種時期は12歳と13歳の2回。義務教育中に受けられなくても、25歳まで国民保健サービス(NHS)で無料で接種できます。2020年9月からは、12~13歳の男子も接種できるようになるそうです。

自費でのワクチン接種費用は1回当たり約150ポンド(約2万円)。ただし、HPVワクチンでは、子宮頸がんの原因となる全てのHPVを防げないため、女性は定期的な検診が必要となります。

今回の調査では、イギリスを含む先進14カ国での研究が対象となりました。
研究チームはHPVの感染率に加え、尖圭コンジローマおよび前がん病変である子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)の発症件数を調査。ワクチン接種が始まる前と8年後を比べた際に、以下のような結果が出ました。
16型と18型のHPV感染件数は、15~19歳の女性で83%、20~24歳の女性で66%減少しました。また、尖圭コンジローマの発症件数は、15~19歳の女性で67%、20~24歳の女性で54%減少しました。CINの発症件数は、15~19歳の女性で51%、20~24歳の女性で31%減少しました。

また、ワクチンを受けていない人への恩恵も明らかになりました。15~19歳の男子の尖圭コンジローマ発症件数は50%近く減ったほか、30歳以上の女性の発症件数も大きく下がりました。

より幅広い年齢層がHPVワクチンを接種し、接種率が高い国ほど、減少率は高かったです。このように子宮頚がんワクチンを接種することによりガンの発生率を防げる結果が得られました。

しかし、日本においては、厚生労働省がワクチン接種に消極的であることから、自治体でのワクチン接種の勧奨接種も同じく消極的であり、日本小児科学会や産婦人科学会や日本医師会などが、積極的に接種を勧めていますが、全国的接種率は、かなり低く、子宮頚がんの発生率を減らすのは難しいのが現状です。