イナビルついての考え方
国内でのみ使用されているイナビル吸入粉末剤についての評価について考えてみます。
第一三共が開発した「イナビル吸入粉末剤」をアメリカでも発売にこぎつけようとBiota社が開発を行ました。開発当時、政府からの資金提供も約束されていました。しかし、12か国639例のインフルエンザ患者を対象とした臨床試験の結果、臨床上の有用性が確認できませんでした。
具体的には二重盲検のランダム試験によりプラセボ、イナビル40mg、イナビル80mgを吸入した際のインフルエンザ症状改善までの時間を評価した結果プラセボ群:104.1時間(4.33日)イナビル40mg:102.3時間(4.26日)イナビル80mg:103.2時間(4.3日)という結果となり、症状改善までの期間に有意差がみられませんでした。
つまりイナビルの臨床症状改善効果はないというデータでした。日本ではよく使われているイナビルですが、以上のデータから、当院では、イナビルの使用はしていません。不明な点は院長に聞いてください。
2019年1月