2023インフルエンザの現状
渡部クリニック院長です。今年のインフルエンザは例年にない傾向を示しております。
まず流行の開始は8月下旬から増加が、始まりその後は右肩上がりです。
こちらのグラフの赤色の23の線が2023の流行を示しており、横軸の36週は9月1週目、40週は10月1週目です。
これを見ると分かるように真夏からインフルエンザがずっと増加しつづけるという異常事態です。基本的にインフルエンザは冬の感染症だとされ、これは南半球で冬に流行したインフルエンザがその後北半球の冬に流行する傾向であったためです。
ですから例年10月に始まるインフルエンザワクチンが間に合わず、今年ははっきりとか症状がつらい人が多いです。外来でもインフルエンザにかかった患者さんでコロナ罹患したことのある患者さんに伺うと、インフルエンザの方がつらいと訴えられますね。
もう一つの問題としてA型に2回罹患した患者さんが複数確認され始めてます。中には3週で2回目という方もおり、いずれも40℃の高熱のように激烈な症状を示してました。。。これは元々主であったH3株に加えてH1株が増えてきている事が関連しているようです。
当院でも11月真ん中くらいにやや減るかなぁと思われたインフルエンザがまた増加傾向になっている実感もあり、周りの学校も9月以来2回目の学級閉鎖になってたりします。また右肩上がりの増加を示してくると困るなぁと心配ですね。加えてまだ流行していないB型もありますのでシーズンで3回のインフルエンザ罹患なんて恐ろしい話もあります。。。
今年は真夏の流行で例年10月に始まるワクチンが間に合わなかった感があります。ただ、まだ収まらないA型と流行の可能性があるB型を防ぐためにもワクチンの接種をお勧めしております。幸い今年のワクチンは十分にありますので早めの接種をご検討ください。ワクチン接種で罹患した患者さんは明らかに症状が軽い傾向にありますし、そもそもの罹患抑制効果も期待できます。
あと残り1ヶ月となりました。年末は12/27の午前までの診察となります。よろしくお願いします。