B型肝炎の予防接種について

B型肝炎の予防接種について

B型肝炎とは、B型肝炎ウィルスによる感染症です。

B型肝炎ウイルス(HBV)は全世界で約3億人の患者がおり、毎年60万人がHBV感染の肝臓病にて死亡しています。

日本でもHBV感染者は約100万人いるといわれ、その15%が肝硬変や肝臓がんに罹患していきます。

特に3歳未満の子どもさんは感染すると慢性的にHBV持続感染になってしまい、また、その多くは全く自覚症状がないため、自分が感染していることも、また、他の子供に感染させてしまう原因になっていることも気づかないのが現状です。

これまでは、輸血や性行為、母体内や出生時での感染(垂直感染)のみに目をうばわれていましたが、HBV感染した子どもの感染経路を調べてみると、母子感染が65%であり、そのほかは父親や家族、友達からの感染(水平感染)でした。父子感染が25%、兄弟や他人からの感染が10%でした。

HBV感染している子どもさんに対して、ウイルスがどの程度排出されているかを見る検査(PCR陽性率といいます)によると、汗100%、涙100%、唾液92.1%、尿73.7%との結果が出ました。

また、慢性的にウイルスが体に入ると、肝炎を起こし慢性化して肝硬変や肝臓がんになります。

血液検査で偶然子どもの感染が発覚し、感染経路がわからないことも多くあり、それらは集団生活での感染経路による感染の可能性が高いと思われます。

さきほども述べたように、B型肝炎は感染しても症状が出ないことが多く、発見が難しいという問題もあります。

偶然にHBV陽性であることが判明して、そこから精密検査と診断、治療が始まることがあります。

治療はインターフェロンなどを使用しますが、副作用や効果の点でまだ十分な治療成績が得られていないのが現状です。そのため、できるだけ早期にワクチンを接種することが必要です。

WHOでは1992年、新生児には全員の接種が望ましいとの声明を発表しています。欧米諸国はもとより、韓国や中国でも1歳までの無料接種をしており、諸外国では極めて大切なワクチンと認識されています。

しかし、残念ながら日本では母子感染予防接種のみ健康保険での接種が認められているだけで、それ以外は有料接種となっているため、B型肝炎ワクチンの接種率は極めて低いのが現状です。

また、医師の中(小児科はもとより内科の肝臓病の専門医)でもB型肝炎が母子感染や血液感染だけだと認識している方も多く、積極的な接種を薦めることが少なく、きわめて少ない接種率に拍車をかけています。

なお、接種時期は生後0から1か月、1か月から2か月、6か月と3回の接種となります。