感染症
溶連菌
症状
のどの痛み
急に強いのどの痛みが出るのが特徴です。
発熱
38~39度の高熱が出ることが多いです。
頭痛、腹痛、吐き気
特に子どもでは腹痛を訴えることがあります。
発疹
猩紅熱のように全身に細かい発疹が出ることもあります。
舌の変化
「いちご舌」と呼ばれる赤くブツブツした舌になることがあります。
扁桃腺の腫れ・白い膿
のどの奥に白い膿が見える場合もあります。
抗生物質について
症状が軽くなっても、処方された薬は最後まで飲み切ることが大切です。
リウマチ熱という他の臓器に影響を及ぼす合併症の予防のためです。
ですから症状が改善して元気でも薬を飲む必要があり、多くは3回飲む抗生物質であるため保育園や登校などに重なり困ることもあります。帰宅後に早めに飲ますなどの工夫をしてみましょう。
登園・登校について
学校保健法
抗生物質を開始して24時間以上経過し、熱が下がっていること
保育園/幼稚園(保護者記載の登園届)
抗生物質を開始して24-48時間以上経過し、熱が下がっていること
家庭での過ごし方
手洗い・うがいをしっかり行いましょう。
再受診の目安
1~2週間後におしっこが赤くなる、顔がむくんでいたら受診しましょう。
急性糸球体腎炎という病気がごくまれにあるためです。
医師の判断で溶連菌感染症後の尿検査を行います。
水痘(水ぼうそう)
症状
発疹
赤い発疹が水ぶくれになり、かさぶたへと変化します
治療開始1~2日は発疹が悪化する場合もありますがそこから改善すれば問題ありません
発熱
発疹と同時、または前後して見られることがあります
倦怠感・食欲不振
登園・登校について
学校保健法
すべての発疹がかさぶたになるまで
保育園/幼稚園(医師記載の登園許可証明書)
すべての発疹がかさぶたになるまで
かさぶたになるまでには、通常発症から5~7日程度かかりますが、個人差があります。
必ず医師の許可を得てから登園・登校を再開してください。
家庭での過ごし方
- 発疹をかきむしると、細菌感染や傷跡が残ることがあります。爪を短く切り、できるだけかかないよう注意しましょう。
- 高熱時は脱水に注意し、水分をしっかりとりましょう。
- 解熱剤やかゆみ止めなどの薬は、医師の指示に従って使用してください。
- 入浴シャワーは発熱がなければ可能ですが、こすらず優しく洗ってください。
- 同居のご家族で、まだ水痘にかかったことがない方やワクチン未接種の方は、感染する可能性が高くなりますのでご注意ください。※ワクチン接種済みでも感染するリスクはあります。
再度受診の目安
以下のような場合は、早めに再診を受けてください
- 高熱が続く(3日以上)
- 発疹がジュクジュクして悪化している
- 元気がなく、水分もほとんどとれない
水痘は空気感染・飛沫感染・接触感染します。ご家族の中で水痘にかかったことがない方や、妊娠中の方、高齢者、免疫力が低下している方がいる場合は、できるだけ接触を避けてください。
手足口病
症状
発疹(ぶつぶつ)
手のひら、足の裏、口の中に小さな水ぶくれのような発疹が出ます。
肘や膝、おしりにも出ることがあります。
口内炎
口の中に痛みを伴う水疱やただれができ、食べたり飲んだりするとしみる。
食欲が落ちる原因になります。
発熱
38℃前後の発熱があることもありますが、出ないこともあります。
発熱は比較的短く、1~2日で下がることが多いです。
その他の症状
だるさ、のどの痛み、下痢、嘔吐などを伴う場合もあります。
登園・登校について
学校保健法
明確な基準なし
保育園/幼稚園(保護者記載の登園届)
発熱なく、普段の食事が取れること
ただし、口の痛みで食事や水分が摂れない、発熱がある、元気がない場合や発疹の程度が広範囲で水疱も多数出現している場合は自宅療養をお願いします。
家庭での過ごし方
口の中の痛みに注意
- 飲食がつらくなるため、水分補給が不十分になることがあります。
- 脱水に注意しましょう(尿の回数や量が少ない場合は要注意)。
- 冷たいゼリー、アイス、水などののど越しの良いものを与えるとよいです。
特効薬はない
- ウイルス感染なので抗生物質は効果がなく、**対症療法(痛みや熱を抑える)**が中心になります。
- 自然に治ることが多く、通常は3~7日ほどで軽快します。
- 発疹の治癒が長引き手足の皮が剥けたりすることもありますのでその際にはご相談ください
- アルコール消毒は効きづらいので手洗いが重要です。
感染力が強い
- 飛沫(咳・くしゃみ)、接触、便などから感染します。
- 症状が治まってもウイルスは便中に2~4週間残るため、排泄後の手洗いを徹底することが重要です。大人も感染することがある
- まれに大人が感染すると、子どもよりも症状が重くなることもあるため注意が必要です。
再度受診の目安
- 水分が全く摂れない、尿が出ていない
- 高熱が続く(39℃以上が2日以上)
- ぐったりしている、意識がぼんやりしている
- 症状が悪化・長引いている
ヘルパンギーナ
症状
急な発熱
38~40℃の高熱が突然出ます。
発熱は1~3日程度で下がることが多いですが、まれに長引くこともあります。
のどの強い痛み
のどの奥(軟口蓋や咽頭)に小さな水疱や赤い腫れができ、非常に痛がることがあります。
口の中の水疱・潰瘍
痛みのため食事や水分が摂りづらくなり、機嫌が悪くなることもあります。
その他の症状
食欲低下、ぐったり、軽い下痢、嘔吐などを伴うこともあります。
登園・登校について
学校保健法
発熱なく、普段の食事が取れること
保育園/幼稚園(保護者記載の登園届)
発熱なく、普段の食事が取れること
家庭での過ごし方
水分補給を最優先
- 高熱と痛みで飲食を嫌がることが多く、脱水になりやすいです。
- 水、イオン飲料、麦茶、冷たいゼリー、アイスなどを少しずつこまめに与えましょう。
- 「おしっこが少ない」「ぐったりしている」場合は脱水のサインです。
特効薬はなし
- ヘルパンギーナもウイルス感染のため、抗生物質は無効。
- 解熱剤や痛み止めなどの対症療法が中心になります。
口の痛みで食事ができない時の対応
- 刺激の少ない、のどごしのよい食事を工夫しましょう(例:おかゆ、スープ、プリン、ゼリーなど)。
- 熱い・酸っぱい・塩辛いものは避けてください。
感染予防
- 飛沫・接触・便から感染します。
- 手洗い、うがい、タオルの共有を避けるなど、基本的な衛生管理が大切。
- 症状が治っても、しばらくは便中にウイルスが出るので注意が必要です。
再受診の目安
- 水分が取れず、尿が半日以上出ない
- 高熱が3日以上続く
- ぐったりしている、意識がもうろうとしている
- 繰り返し吐く、けいれんがある
- 手足に発疹が出てきた時(手足口病の可能性もあります)
咽頭結膜熱(プール熱)
症状
発熱
38~40℃の高熱が3~5日続くことが多い
咽頭痛
のどが赤く腫れ、強い痛みが出ることも
結膜炎
目の充血、目やに、かゆみ、涙が出るなど
全身のだるさ
発熱に伴い強い倦怠感
その他の症状
頭痛、腹痛、下痢が一部で見られる
登園・登校について
学校保健法
主要症状(発熱など)が消えて2日経過したら
保育園/幼稚園(医師記載の登園許可証明書)
主要症状(発熱など)が消えて2日経過したら
家庭での過ごし方
- 十分な水分補給と安静が重要。
- 手洗い・うがい 特に外から帰った後、トイレや食事の前後には丁寧に手洗いを。石けんと流水で20秒以上。
- 抱っこの後は手洗い・顔洗い
- 感染したこ子とタオルやコップ食器などの共用を避ける
- ドアノブやトイレのふたなどは次亜塩素酸系の消毒剤が有効
- プール後のケア プール後は目や顔、手足をしっかり洗う
再受診の目安
高熱が続く・目の症状が悪化する・ぐったりしている場合は、早めに医療機関を受診
RSウイルス
呼吸器感染症を引き起こすウイルスで、特に0~2歳の子どもでは重症化することもあります。
症状
- 鼻水・鼻づまり
- 咳(次第にひどくなる)
- 発熱(ない場合もあります)
- 呼吸がゼーゼー・ヒューヒュー(喘鳴)
- 呼吸困難(胸がペコペコへこむ)
家での過ごし方
- こまめに水分をとらせましょう
- 咳や鼻水がひどいときは上体を少し起こして寝かせると呼吸が楽になります
- 加湿をして部屋の湿度を保ちましょう(50~60%)
- 鼻水がつまっているときは吸引器や綿棒などでこまめにケアを
登園・登校について
学校保健法
明確な基準なし
保育園/幼稚園(保護者記載の登園届)
熱がなく全身状態が安定し、咳が落ち着いたら
再受診の目安
以下のような症状があれば、すぐに医療機関を受診してください。
- 呼吸が苦しそう、息が速い
- 顔色が悪い(青白い、唇が紫)
- 授乳・食事ができない
- 水分がとれない、尿が少ない
- 眠れないほどの咳
マイコプラズマ
症状
初期症状(風邪に似ている)
のどの痛み・軽い咳・頭痛・発熱(微熱から38℃以上になることも)
進行後の症状
- しつこい咳(乾いた咳が数週間続くこともある)
- 高熱(38~39℃)
- 倦怠感(だるさ)
- 胸の痛み(咳をすると痛むことも)
- 食欲不振
子どもに見られやすい症状
呼吸困難・ゼーゼー音(喘鳴)
登校・登園について
学校保健法
発熱や激しい咳が治ったら(明確な出席停止基準なし)
保育園/幼稚園(保護者記載の登園届)
発熱や激しい咳が治ったら
家庭での過ごし方/見守りかた
- 遊びたがる子も多いですが、熱や咳があるうちは静かに過ごすようにしましょう。
- テレビや動画を見るのはOKですが、長時間は避けるように工夫を。
- 発熱や咳で脱水になりやすいため、少しずつ頻繁に水分を。(水、麦茶、経口補水液、果汁を薄めたジュースなど)
- 熱いお茶や冷たい飲み物は咳を刺激する場合があるのでぬるめがよいです。
- 加湿:咳の刺激を和らげるため、湿度40~60%を保ちましょう(加湿器・濡れタオルなど)
- 温度:20~24℃前後が快適(季節によって調整)
- 換気:1~2時間に一度、短時間でもOKです
- 咳がある場合は、マスクをできるだけ着用
ただし 咳は1ヶ月以上と長引くケースもあるためマスクが苦手な人や小さい子は省略してください - 家族も手洗い・うがいを徹底
- タオルや食器を共有しない
再受診の目安
- 呼吸が苦しそう(ゼーゼー、肩で息をしている)
- 高熱が3日以上続く
- 顔色が悪い、ぐったりしている
- 水分が取れない・尿が出ない
- 咳がどんどんひどくなっている
りんご病
正式には伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)といい、主に子どもに多いウイルス性の病気です。
症状
- 頬に赤い発疹(紅斑)がでます。病名の由来ともなる特徴的な症状です。
- 両頬がリンゴのように赤くなり、くっきりとした境界が出る。
- 子どもではこの頬の紅斑がはっきり出ることが多い。
- 頬に発疹が出た1~2日後に、腕・太もも・お腹・背中などにレース模様のような赤い発疹が広がる。
- かゆみが出ることもある。
- 発疹は1週間程度で自然に消えるが、入浴・日光・運動などで一時的に再び浮き出ることもある。
- 発疹の数日前に以下のような軽い風邪症状が出ることがあります:
- 微熱(または熱なし)
- 頭痛
- 倦怠感(だるさ)
- 鼻水・咳 など
家庭での過ごし方
- 発熱や倦怠感があるときは無理をさせず、安静に。発熱時はこまめに水分をとることが大切。
- 発疹が出てからは、ほとんどの場合元気になるので、体調に合わせて過ごせます。
- 食欲があれば、普段通りの食事でOK。
- 発疹にかゆみがある場合は掻きすぎに注意。
- 発疹がいったん消えても、入浴・日光・運動・体温の上昇などで再び浮き出ることがあります。
- これは再発ではなく反応性のものなので心配いりません。
登園・登校の目安
りんご病は発疹が出るころには感染力がほぼなくなっています。
学校保健法
全身状態が良好なら(明確な出席停止基準なし)
保育園/幼稚園(保護者記載の登園届)
全身状態が良好なら
再受診の目安
ほとんどの場合、自然に回復しますが、以下のようなときは再度受診をおすすめします。
- 発熱が3日以上続く
- 解熱後もぐったり・元気が戻らない
- 頭痛や嘔吐がひどい、水分がとれずおしっこが出ない
- 発疹が強くかゆい・腫れてきた・じくじくしている
- 発疹が1週間以上続く、または広がり続ける
- 咳が長引く、または呼吸が苦しそう
- 胸の痛みや呼吸困難を感じる
突発性発疹
主に生後6か月~2歳ごろの乳幼児に多くみられるウイルス感染症です。
症状
- 発症初期は、何の前触れもなく高熱(38~40℃)が出ます。
- 発熱は3~4日間続きます。
- この間、比較的機嫌は良いことが多いですが、ぐずる子もいます。
- 高熱が下がると同時かその直後に、全身に赤い細かい発疹が出ます。
- 特にお腹・背中・胸に出やすく、その後顔や手足に広がることもあります。
- 発疹はかゆみや痛みを伴わず、2~3日で自然に消失します。
- 解熱後にとても不機嫌となり、強いイヤイヤや拒否などもあり、苦労する場合もありますが時間の経過で改善します。。
- まれに熱性けいれんを起こすことがあります。
家庭での過ごし方
- 突然の高熱に驚くこともありますが、慌てずに。機嫌がよければ軽く遊ぶ程度はOK。
- ぐったりしている場合はしっかり休ませてください。
- 高熱で脱水になりやすいので、水・お茶・イオン飲料などをこまめに。
- 食欲がないときは無理に食べさせず、水分中心で。
- 解熱剤(アセトアミノフェンなど)は医師の指示に従って使用。無理に熱を下げる必要はなく、本人がつらそうなときに使うのが基本です。
- 発疹は数日で自然に消えます。
- かゆみや痛みがなければ特別な処置は不要です。
登園・登校について
学校保健法
全身状態が良好なら(明確な出席停止基準なし)
保育園/幼稚園(保護者記載の登園届)
発熱がなく、食事がしっかり取れること
再受診の目安
- 高熱が4日以上続く
- 解熱後もまた熱がぶり返す
- 解熱剤を使っても全く熱が下がらない
- 熱性けいれんを起こした
- 呼びかけても反応が鈍い・ぼーっとしている
- けいれんが5分以上続く、または何度も繰り返す
- 発疹がひどくかゆがる・痛がる
- 発疹が紫色、じくじく、腫れなど通常と異なる様子
- 発疹が1週間以上消えない
- 水分を全くとれない・おしっこが出ない
- ぐったりしている・顔色が悪い
- 強い嘔吐や下痢が続く
帯状疱疹
帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、水ぼうそう(水痘)ウイルスが再活性化して起こる皮膚の病気です。
症状
- 最初の症状は皮膚の違和感・しびれ・ピリピリするような痛み(神経痛)。
- 多くの場合、体の片側だけに症状が現れます。
- 痛みは数日~1週間ほど続き、発疹の前に現れることもあります。
- 痛みのある部位に沿って赤い斑点や小さな水ぶくれが出てきます。
- 背中から脇腹、胸、お腹など、神経に沿った帯状に出るのが特徴。
- 発疹はやがてかさぶたになって治癒します(2~3週間程度)。
人によっては下記の全身症状が出ます。
- 軽い発熱
- 頭痛、倦怠感(だるさ)
- リンパの腫れ
家庭での過ごし方
- 帯状疱疹は免疫力の低下がきっかけで発症することが多いため、無理は禁物。
- 十分な睡眠・休養をとり、体力回復に努めましょう。
- 皮膚を清潔に保つ。水ぶくれが破れた部分から細菌感染を起こすリスクがあります。
- 毎日入浴はOK(※強くこすらず、石けんの泡でやさしく洗う)。
- タオルは家族と共用しないようにします。
- かさぶたになるまで患部を保護。衣類や摩擦で水ぶくれが破れないように注意。
- 医師の指示があれば、ガーゼや絆創膏で覆って保護します。
- ピリピリ・ズキズキする痛みには、処方された鎮痛薬や抗ウイルス薬をしっかり使いましょう。
- 痛みが強くなったり長引く場合は、早めに医師へ相談を。
登園・登校について
学校保健法
全ての発疹が“かさぶた”になるまで
保育園/幼稚園(保護者記載の登園届)
全ての発疹が“かさぶた”になるまで
インフルエンザ
症状
- 高熱(38℃以上)。突然の発熱が多く、発症初日に高熱が出ることもあります。
- 悪寒や寒気
- 全身のだるさ・倦怠感。普段の風邪よりも強い体のだるさがあります。
- 筋肉痛・関節痛
- 頭痛
- 喉の痛み
- 咳(乾いた咳が多い)
- 鼻水・鼻づまり
子どもの場合に見られることがある症状
- 嘔吐・下痢(胃腸症状)
- けいれん
- ぼんやりしている、呼びかけに反応しにくい(※インフルエンザ脳症に注意)
家庭での過ごし方
- 高熱によるけいれんや意識の変化がないかこまめに観察
- 水分が摂れているか確認(脱水に注意)
- 十分な休養と睡眠をとる
- 無理に食べさせなくてOK。食欲が戻ったら消化の良いものから。
- スポーツドリンク、経口補水液、白湯などをこまめに与える。
- マスク着用(本人ができる年齢であれば)をし、感染を広げない意識をもつ。
- タオルや食器の共有を避ける
- 部屋の換気を1時間に1回程度
- 熱が下がって元気があれば、短時間の入浴シャワーはOK(汗を流す程度)
飲み薬の飲ませかた
インフルエンザの飲み薬であるタミフル(オセルタミビル)は小さい子だと ドライシロップしかありませんが、美味しくないことで有名です。
何かに混ぜて飲んだり、お薬飲めたねやおくすりパクッとねるねる などを使って工夫して飲ませてあげてください。
登園・登校について
学校保健法
発症した後5日経過かつ解熱して2日経過した翌日から
保育園/幼稚園(医師記載の登園許可証明書)
発症した後5日経過かつ解熱して3日経過した翌日から
※たとえば、1月1日に発熱し、1月3日に熱が下がった場合、登校できるのは1月7日以降になります(発熱日を0日として数える)。
※横浜市では2024年よりインフルエンザの診断を受けたタイミングで医療機関で登園許可証明書を記載してもらい、その後自宅で保護者の方に基準を満たしたことを追加して完成させれば良い運用方法になっております。
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
症状
- 38℃前後の発熱が1~3日程度続くことがあります
- 発熱なしで発症することもあります
- 耳の下(耳下腺)やあごの下(顎下腺)が腫れて、押すと痛い
- 両側に腫れることが多いですが、片側のみの腫れから始まることもあります(数日後に反対側も腫れるケースあり)
- 物を噛んだり、すっぱいものを食べると痛みが増す
- 食欲低下・だるさ
- 噛むと痛いため、食事がとりにくくなる
- 体のだるさ、頭痛、筋肉痛を伴うことも
登園・登校の目安(出席停止期間)
学校保健法
発症した後5日経過かつ全身状態が良好になるまで
保育園/幼稚園(医師記載の登園許可証明書)
発症した後5日経過かつ解熱して3日経過した翌日から
腫れが出た日を0日目として6日目以降で、熱が下がって元気であれば登園・登校可
家庭での過ごし方
発熱・痛みへの対応
- 発熱時は無理をせず、十分な休養と水分補給を
- 痛みが強い場合は、冷やすと楽になることがあります(長時間は避ける)
- 医師の指示で解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)を使用可
- 噛むと痛いため、やわらかく、飲み込みやすい食事を
- おかゆ、ゼリー、スープ、プリンなど
- すっぱいものは痛みを誘発するので避ける
- 発症前から感染力があり、腫れが出てから5日間程度は強い感染力あり
- 同居家族に免疫がない場合は、マスクや手洗いの徹底を
- タオルや食器の共用は避ける
- 隔離期間は症状が出てから5日経過するまで
再受診の目安
以下のような症状が出た場合は、再度医療機関を受診してください:
- 激しい頭痛・嘔吐・首の硬さ → 髄膜炎の疑い
- 片側の耳の聞こえにくさ → 難聴の可能性(早期受診が重要)
- 思春期以降の男児の下腹部の腫れ・痛み・発熱 → 精巣炎の疑い
- 女児で下腹部の痛みがある場合 → 卵巣炎の疑い
- 強い腹痛や嘔吐 → 膵炎の可能性
流行性角結膜炎(りゅうこうせいかくけつまくえん)
アデノウイルスによる非常に感染力の強い目の病気で、「はやり目」とも呼ばれます。
診断や症状改善の判断も眼科医が行うことがメインとなります。
症状
初期症状は片目から始まることが多い
- 白目の充血、目やに(特に粘ついた黄色~白色)、まぶたの腫れ
- 目のかゆみ・痛み・異物感(ゴロゴロする)
- 進行すると涙が止まらなくなる(流涙)
- まぶたが開けづらくなる
- 数日以内にもう片方の目にも感染することが多い
- 目の奥の痛みや違和感
- 耳の前のリンパ節の腫れや痛み
- 発熱やのどの痛みを伴うことも(特に小児)
感染を防ぐポイント
- 感染者が触れた場所(ドアノブ、蛇口、リモコンなど)はこまめに消毒
- アルコール消毒が効きにくいので、次亜塩素酸ナトリウム(漂白剤を薄めたもの)での拭き掃除も有効
- 感染者の目やに・涙に触れないよう注意
家庭での過ごし方
- こまめな手洗いと消毒が大切
- タオル・洗面用具は家族で共用しない
- 目に触れたらすぐ手を洗う
- 目薬を使用する際は、1人ずつ使い分ける
- 症状が強いうちは、無理せず安静に過ごす
登園・登校の目安(出席停止期間)
学校保健法
結膜炎の症状が消失したと医師(眼科医)が判断するまで
保育園/幼稚園(医師記載の登園許可証明書)
結膜炎の症状が消失したと医師(眼科医)が判断するまで
再受診の目安
- 充血や目やにがなかなか改善しない
- 症状が片目から両目に広がった
- 強い目の痛みや視力の低下がある
- 発熱やのどの痛みが長引く
百日咳
百日咳菌(細菌)による呼吸器感染症で、激しい咳が長期間つづきます。
症状
初期(風邪に似た症状・1~2週間)
鼻水・くしゃみ・軽い咳・微熱など
中期(特有の咳が出始める)
連続した激しい咳が出て、咳の後にヒューっと息を吸う音(笛声様吸気)が聞こえる
吐いてしまうことも
回復期(数週間~数か月)
咳は徐々に軽くなるが、再びぶり返すことも
乳児では無呼吸発作、けいれん、チアノーゼを起こすこともあり、命に関わる場合も
家庭での過ごし方
- 咳で体力を消耗するため、安静に過ごす
- 部屋の湿度を保ち、刺激を避ける
- 栄養と水分をしっかりとる
- 家族内でもマスクの着用・手洗い・咳エチケットを徹底
- 初回ワクチン接種前の2ヶ月未満のお子さんがいる場合は医師へご相談ください!!!
登園・登校について
学校保健法
特有の咳が消失する、または5日間の抗生剤投与まで
保育園/幼稚園(医師記載の登園許可証明書)
特有の咳が消失する、または5日間の抗生剤投与まで
再受診の目安
- 咳が悪化したり、吐くほどの咳が頻回にある
- 呼吸が苦しそう、顔色が悪い
- ぐったりして元気がない、食欲がない
- 乳児で呼吸が止まるような様子がある
予防接種について
- 百日咳は定期接種(DPTワクチン)で予防可能
- 5種混合ワクチンは、生後2か月から接種が始まります
- 大人も免疫が低下して再感染することがあり、乳児への感染源になることも
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
症状
非常に症状が多岐に渡ります
- 発熱(38℃前後)、咳、のどの痛み
- 鼻水、鼻づまり、くしゃみ
- 頭痛、倦怠感、関節痛
- 少ないですが、吐き気・下痢などの胃腸症状 味覚・嗅覚の異常
家庭での過ごし方
- 十分な睡眠・栄養・水分補給
- 室内の換気・加湿を心がける
- 家族もマスク・手洗い・うがい・消毒を徹底
- 家族内で共有を避ける(タオル・食器など)
登園・登校について
学校保健法
発症した後5日経過かつ症状が改善し1日経過したら
保育園/幼稚園(医師記載の登園許可証明書)
発症した後5日経過かつ症状が改善し1日経過したら
※たとえば、1月1日に発症し、1月3日に症状が改善した場合、登校できるのは1月7日以降になります(発症日を0日として数える)。
※横浜市では2024年より新型コロナウイルスの診断を受けたタイミングで医療機関で登園許可証明書を記載してもらい、その後自宅で保護者の方に基準を満たしたことを追加して完成させれば良い運用方法になっております。
再受診の目安
- 高熱が3日以上続く
- 呼吸が苦しそう、息が速い
- 水分がとれず、尿が少ない
- 症状が一旦よくなったのに再び悪化した
麻疹(ましん・はしか)
麻疹ウイルスによる非常に感染力の強い感染症です。
症状
10~12日間の潜伏期のあと、以下のような症状が現れます
カタル期(前半)
- 発熱(38℃前後)、鼻水、咳、くしゃみ、目の充血、まぶしさ
- 口の中に白い斑点(コプリック斑)が出ることも
発疹期(後半)
- 高熱(39~40℃以上)とともに、顔から全身に赤い発疹が広がる
- 発熱は3~4日続いた後、徐々に下がる
- 発疹は色素沈着を残して消える
家庭での過ごし方
- 高熱・咳・全身症状が強く、安静第一
- 脱水予防のためこまめに水分補給
- 室内の換気・湿度を整える(乾燥しすぎに注意)
- 発疹をかき壊さないよう注意
- 家族にも感染予防を(ワクチン未接種者の接触は避ける)
登園・登校について
学校保健法
解熱後3日経過したら
保育園/幼稚園(医師記載の登園許可証明書)
解熱後3日経過したら
再受診の目安
- 発疹の範囲が広がりすぎている
- 食事・水分がとれない、ぐったりしている
- 意識がもうろうとする、けいれんがある
予防接種について
MR(麻疹・風疹混合)ワクチンは定期接種
- 第1期:1歳~2歳未満
- 第2期:年長児(小学校入学前の1年間)
風疹(ふうしん)
風疹ウイルスによる感染症で、感染力が高く、子どもから大人までかかる可能性あり
症状
- 潜伏期間は2~3週間程度
- 発熱(軽度~中等度)
- 細かく淡い赤い発疹(顔→全身に広がる)
- 首や耳の後ろのリンパ節の腫れ
- 目の充血・関節痛などを伴うことも
- 子どもは比較的軽症、大人は発熱・関節痛が強くなる傾向
登園・登校の目安
学校保健法
発疹が消失したら
保育園/幼稚園(医師記載の登園許可証明書)
発疹が消失したら
家庭での過ごし方
- 安静にし、高熱が出たときはこまめに水分補給
- 発疹はかゆみが強い場合があり、かき壊さないよう注意
- リンパ節の腫れがあるときは、首のマッサージなどを避ける
- 家族内での感染予防(マスク・手洗い・タオルの共用を避ける)
再受診の目安
- 熱が長引く、またはぶり返す
- 発疹が広がり続ける、化膿している
- 食事や水分がとれない、ぐったりしている
- 妊娠中の家族がいる場合は早めに医師へ相談を
予防接種について
- MRワクチン(麻疹・風疹混合)で予防が可能
- 第1期:1歳~2歳未満
- 第2期:年長児(小学校入学前の1年間)
- 妊娠を希望する女性やそのパートナーも抗体の確認・接種が推奨(妊婦が感染すると胎児に影響が出るおそれがあります(先天性風疹症候群))
