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インフルエンザのお薬について


インフルエンザとそのお薬について、患者さんが誤解しがちな点についてお話したいと思います。インフルエンザについては、「インフルエンザ」をご覧ください。



抗インフルエンザ薬「タミフル」ってどうなの?


1.その効果と副作用


タミフルはインフルエンザの場合に多くの病院で処方されるお薬です。

しかし、タミフルは、インフルエンザを予防する効果はありません。

また、インフルエンザウィルスを撃退する効果もありません。インフルエンザウィルスを増やさないようにして、発熱の期間をわずか1日程度縮める効果しかありません。

インフルエンザウィルスが体に入ると、体の免疫システムが反応します。それでウィルスに抵抗する抗体をつくり、その抗体のはたらきによって、インフルエンザウィルスは撃退されます。タミフルは、インフルエンザウィルスを増やさないようにすることで、免疫システムを強化して、インフルエンザに抵抗する抗体をつくり、ウィルスがなくなるまでの時間を短くしてくれる薬です。ウィルスを減らす効果はないのです。

現在、日本での通常のインフルエンザに感染した場合に、免疫システムの発達した健康な成人(タミフルを投与してもしなくても症状はほとんど変わらない人)に対してまでもタミフルが処方されているため、タミフルが不足しています。薬好きの日本人と異なり、外国においては、通常のインフルエンザの発熱を1日だけ短くするために高価なタミフル(3637円)を処方するという習慣はありません。

日本でのタミフルの消費量は、世界の消費量の80%といわれているくらい異常な処方量です。

注意しなければならないことは、タミフルの副作用は小さくないことです。新聞やテレビでは、インフルエンザでタミフルを服用して異常行動や突然死等の副作用が出たと報道されています。

現時点では、これらが、タミフルによるものか、インフルエンザそのものによるものか不明ですが、これらの関係を否定できるにいたっていません。

ですから、もしタミフルを内服した場合は、24時間は異常行動の有無を観察するため、子どもを一人にしないよう、注意して状態をみる必要があります。

副作用が不安な方は、服用しないほうがよいと思います。

当クリニックとしては、乳幼児に対するタミフル投与については、その効果と副作用について患者さんのご両親が充分に納得した上でないと、処方することはむずかしいと考えております。


 タミフルの副作用

@ おうと、腹痛、下痢のなどの消化器系の症状

A 異常行動、妄想、幻覚、けいれんなどの精神・神経症状

B じんましん、薬疹などの皮膚症状

C 肝機能異常

D 低体温

E 不整脈


2.だんだん効かなくなってきています


インフルエンザウィルスに効かなくなってきている前例として、シンメトレルというインフルエンザのお薬があります。シンメトレルは、A型インフルエンザの症状を軽くするお薬です。

2002年頃のシンメトレルは、効果がありましたが、毎年使用量が増え、徐々にインフルエンザ耐性がでてきて、2005年頃には90%近くがシンメトレル耐性のA型インフルエンザ(シンメトレルを投与しても薬の効果が乏しいということ)ウィルスとなってしまいました。

これはタミフルも例外ではありません。

現在、タミフルは、ほとんどのインフルエンザの患者さんに対して投与されています。

この乱用状況からすると、タミフル耐性のインフルエンザウィルスが増えることは時間の問題といわれています。現実に、ウィルスの20%がタミフル耐性インフルエンザであるという報告がされています。とくにB型インフルエンザに対するタミフルの効果がかなり少なくなっています。


3.インフルエンザのお薬として「リレンザ」をおすすめします


それでも抗インフルエンザ剤を使いたい方に対しては吸入剤のリレンザをおすすめします。

抗インフルエンザ剤のリレンザ(ザナミビル−グラクソスミスクライン株式会社発売)は、子ども・成人ともにインフルエンザ発症後48時間以内に投与することにより、発熱・悪寒・筋肉痛などの症状をかるくすることができます。1日2回、専用の吸入袋をつかって、3〜5日間吸入します。副作用は、ぜんそく患者で発作を誘発するとの報告がありますが、当クリニックでは経験がありません。一般的には、副作用はないと考えられます。

リレンザは、早期に使用すれば、インフルエンザの症状が改善されます。これにより、高熱が一気に下がったという患者さんを多くみてきました。
タミフルと比べ、副作用がほとんどない薬ですので、即効性と副作用の点で優秀です。インフルエンザのお薬の中では、もっともおすすめしたいお薬です。

服用されたい方はインフルエンザ発症後、できるだけ48時間以内に当院にご来院ください。



予防接種はした方がいいの?


インフルエンザの予防接種は、その年の流行にあわせてワクチンが使用された場合に効きます。

ただ、インフルエンザは、予防接種をうけた場合でも、病気になった場合でも、できた抗体は一定の期間で消えてしまうため、また、ウィルスがバージョンアップする性質のため、毎年インフルエンザの感染を繰り返したり、冬にA型・B型両方のインフルエンザにかかったりする場合もあります。

現在のインフルエンザワクチン注射による死亡例は、年間1000万人以上の予防接種者の中でわずか数名です。

また、その中でも本当にインフルエンザワクチンによる死亡例かどうか不明な場合もあります。


一方、インフルエンザ脳症で死亡することもこどもは年間100人以上で、後遺症を残すこどもは数百人いるとの報告があります。

ですから、こども(13歳未満)はかならずインフルエンザの予防接種をしたほうがいいでしょう

また、子どもから感染したり、子どもに感染させることを防ぐために、子どもと接触する成人も予防接種する必要があります


 予防接種のしくみ

 弱毒化した病原体やウィルスをあらかじめ接種する
            ↓

からだの免疫機能に、病原体に対する抗体をつくりだすための学習をさせる
            ↓

病原体の感染時には、すみやかにそれを撃退できるようにする


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